淋しさと恨めしさと
「おはよう」
「アラ、おはよう」
和子が元気よくあいさつをしながら店に入ってくと、
カウンターのところにいた経営者の女性が愛想良く挨拶を返してくる。
実のところ、和子と同級生で
しかも不倫の相談に頻繁に呼び寄せる女性とは彼女なのだ。
和子と違って学生時代から、
どちらかというと黒目がちな大きな瞳がさわやかなの雰囲気が漂い
憧れの的だった。
彼女が男に夢中ということは、日によって感情の浮き沈みが激しく
一見の客に対しては無愛想なところがあった。
だから、この店には常連客以外にはめったに客は顔を出さない。
もう少し詳しく客層を説明すると、女性客も少しはいたが、
常連客は圧倒的に男性が多く、
機会をうかがっては
― 我こそは、隙さえあれば今の男に成り変って・・・― なのだ。
だから和子も多少はこの店に花を添える存在ではあったようだ。
本人はそう思っていなかったが、
男性からも女性からも愛嬌のある顔立ちをしていると言われていた。
彼女自身としては、もっと賢そうな女性になりたいと、
常日頃考えていたのだ。
顔はまだしも、身体つきはそれなりに成熟した雰囲気をかもしだし、
多少どころか、むんむんに人妻の色っぽさを漂わせていた。
スタイルのことを言われると困ってしまうが、
バストははみ出すほど豊かだし、
ヒップや太股は十分に肉感的だった。
旦那は一向に気にしていないのだが、妻が水商売に出始めたのだから
「男の客には・・・」とか
「俺以外の男に色目を・・・」さらに
「デートに誘われても・・・」などと心配してほしかったし、
妬いてもほしかった。
それすらなくなったことに、
もう自分を女として見てくれていないことを感じずにはいられなかった。
喫茶店で働くのは、さして苦痛ではなかったが、同じ店の中にいても
方や、朝から意味深なデートの誘いを
同じ女性の目の前で受け妖艶に微笑む彼女。
こちらは相槌を打つのが関の山で、
自分という人間はこの世の中で何の役にも立っていないのではないかと
疑いを抱いていた。
ウィエイトレスの仕事は確かに雇われのバイトである。
お代をいただくかわりに、雇い主の言う命令には従うことが必要だが、
最初見た、彼女と男たちのような日々浮かれた生活を夢見ていただけに、
打ちのめされた感が募る。
何となくそんなことを考えながら日々を過ごしていた。
「アラ、おはよう」
和子が元気よくあいさつをしながら店に入ってくと、
カウンターのところにいた経営者の女性が愛想良く挨拶を返してくる。
実のところ、和子と同級生で
しかも不倫の相談に頻繁に呼び寄せる女性とは彼女なのだ。
和子と違って学生時代から、
どちらかというと黒目がちな大きな瞳がさわやかなの雰囲気が漂い
憧れの的だった。
彼女が男に夢中ということは、日によって感情の浮き沈みが激しく
一見の客に対しては無愛想なところがあった。
だから、この店には常連客以外にはめったに客は顔を出さない。
もう少し詳しく客層を説明すると、女性客も少しはいたが、
常連客は圧倒的に男性が多く、
機会をうかがっては
― 我こそは、隙さえあれば今の男に成り変って・・・― なのだ。
だから和子も多少はこの店に花を添える存在ではあったようだ。
本人はそう思っていなかったが、
男性からも女性からも愛嬌のある顔立ちをしていると言われていた。
彼女自身としては、もっと賢そうな女性になりたいと、
常日頃考えていたのだ。
顔はまだしも、身体つきはそれなりに成熟した雰囲気をかもしだし、
多少どころか、むんむんに人妻の色っぽさを漂わせていた。
スタイルのことを言われると困ってしまうが、
バストははみ出すほど豊かだし、
ヒップや太股は十分に肉感的だった。
旦那は一向に気にしていないのだが、妻が水商売に出始めたのだから
「男の客には・・・」とか
「俺以外の男に色目を・・・」さらに
「デートに誘われても・・・」などと心配してほしかったし、
妬いてもほしかった。
それすらなくなったことに、
もう自分を女として見てくれていないことを感じずにはいられなかった。
喫茶店で働くのは、さして苦痛ではなかったが、同じ店の中にいても
方や、朝から意味深なデートの誘いを
同じ女性の目の前で受け妖艶に微笑む彼女。
こちらは相槌を打つのが関の山で、
自分という人間はこの世の中で何の役にも立っていないのではないかと
疑いを抱いていた。
ウィエイトレスの仕事は確かに雇われのバイトである。
お代をいただくかわりに、雇い主の言う命令には従うことが必要だが、
最初見た、彼女と男たちのような日々浮かれた生活を夢見ていただけに、
打ちのめされた感が募る。
何となくそんなことを考えながら日々を過ごしていた。
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